一文字(松本奉巳) 切れ波止(越智義則) ソロバン(上田 敬,西村 文夫) 
 新波止
(熊懐 弘毅) テトラ(西島 祥一)  前打ち(鳥喰 真悟)

「切れ波止」の攻め方

越智 義則
  
 切れ波止は箱崎貯木場沖の多々良川河口に沿って伸びるパイルケーソンです。
 沖側は一文字とほとんど接しています。
  全長約280m、水深は貯木場側は干潮時約8m、一文字側は約2mです。沖防では一番水深があります。
 構造は下の図のようになっています。内湾側に2箇所の突き出た桟橋があり、ここもいいポイントで、パイルの釣り方を体験するのに絶好の場所です。
 切れ波止はオーバーハングですから、それなりの釣り方で攻めます。
   
 仕掛けの入れ方は、大きく分けて二通りあります。
 潮位が低くオーバーハングが海面より上にある場合と、潮位が高くオーバーハングが海面より下にある場合です。
   
オーバーハングが海面より上にある場合(潮位が低いとき)
  振り子の要領で竿を振り、餌を海面と水平にとばす感じでオーバーハングの中に振り込み、同時に竿を下げ、奥まで餌が入るようにします。
 パイルをねらう場合はそんなに奥に振り込む必用はありません。
  
オーバーハングが海面より下にある場合(潮位が高いとき)
 まず、海面とケーソンのキワとの接点に餌を置きます。仕掛けをケーソンのキワにぴたっとはわせるとうまくいきます。そして、竿先を下げ、ハリス分ぐらいまで餌を水中に落としていきます。
    餌がオーバーハングの中に入るようであれば、そのまま落とします。入らなければもう一度餌を海面まで上げてやり、やり直します。
   
 以上の二つの釣り方が基本です。
   
 これに、イガイ餌でのスライド釣法をミックスします。
 スライド釣法は餌の刺し方と、仕掛けの操作がポイントです。
   
 まず、餌の刺し方の一例
 図のように、ハリを貝の中に埋め込むと、貝は仕掛けのわずかな張力に引っ張られ、縦に姿勢を保ちながら落ちていきます。このとき、貝はたいてい、スーッと斜めにスライドしながら落ちます。オーバーハングの中にスライドして入るときにそのまま仕掛けを送り込んでいきます。          

 次は、仕掛けの操作です。
 イガイが中にスライドするためには、イガイを引っ張る仕掛け糸はその反対になければならないので、仕掛け糸はオーバーハングの外側に向け、波の影響をなるべく受けないよう「つの字」にはわせます。そうすることで貝は仕掛けの張力で斜めに傾きながらスライドして中に入っていきます。強制的に糸をわずかに外に張り、貝の傾きをつくってやることも効果的な方法です。  

 チヌはパイルについていることが多いので、なるべくパイルの近くに餌が届くように、川の流れや潮流を考えて仕掛けをさばくプレゼンテーションが釣果を伸ばすコツです。
   
切れ波止(左;断面図、 右;平面図)

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